吉田 大輔(ヨシダ ダイスケ)
まず大事なことは、とにかく具体的に書く、ということにあるのではないでしょうか。織田作之助の文章を読んでいると、そう思います。織田作之助の文章は、固有名詞を書くことへの強いこだわり、ものの値段を書くことへの強いこだわり、登場人物の給料がいくらなのかを書くことへの強いこだわり(!)、などに満ちています。そしてこれは織田作之助の作品世界においては、とても大事なことです。具体的なものやことから、なにかを描いてみてください。
■専門分野
比較文学、日本近代文学、幸田露伴研究
■出身校等
大阪大学大学院・文学研究科・文化表現論専攻・比較文学専門分野・博士後期課程・単位取得満期退学
■主な業績等
創作:
①ショートフィルムフェスティバル&アジア2018 第4回ブックショートアワード・大賞 「名前って、ふたつ以上の鐘の音」(短編小説、筆名・入江巽、2018・6)
本文 → https://bookshorts.jp/20180335n
ショートフィルム化 → https://youtu.be/QskkP8US_Z8
論文:
①「大阪府大高専・3 年次・国語における4つのキーワード「抽象」「具体」「類似」「差異」の実践」『大阪府立大学工業高等専門学校研究紀要』52号、pp.35-46、2018・12
②「坂口安吾「ラムネ氏のこと」における名詞 ――幸田露伴「文明の庫」「頼朝」、森鷗外「サフラン」との対比から――」『京都造形芸術大学研究紀要= Genesis』22号、pp.96-106、2018・11
③「文学教育に創作文執筆を取り入れる試み、どのように「オチ」は小説を劇的にするのか? : ギ・ド・モーパッサン「首飾り」(‘La Parure’, 1884)をめぐる学生との議論を通じて」『大阪府立大学工業高等専門学校研究紀要』 51号、pp.37-50、2017
④「幸田露伴の少年文学「鐵の物語」の英語典拠」『京都造形芸術大学研究紀要= Genesis』21号、pp.58-67、 2017
⑤「幸田露伴が描く陶器と記憶 ―「太郎坊」における盃をめぐって―」『待兼山論叢 文学篇』50号、pp.99-143、2016、大阪大学文学会
⑥「彫像師の悲恋物語と仏師の悲恋物語 ─内田魯庵訳コンウェイ「彫像師」と露伴「風流仏」─」『比較文学』54巻、pp.80-93、2011、日本比較文学会
■「オススメの1冊」とオススメポイント
佐藤泰志『海炭市叙景』
これを読んだあと、ジョイス『ダブリンの人びと』、アンダソン『ワインズバーグ・オハイオ』の二冊を、ぜひ続けて読んでみてください。すごい作品は、すでにたくさんある。だけど書く。だから書く。